アードベッグは、限定版の2023年フェイス・アイラ・リリースとしてHeavy Vapoursを発表した。このシングルモルトは、ブランドの特徴である極めてピーティと花のようなフルーティーさの表現のためバランスを調整する装置である精溜器（ピューリファイア）なしで蒸留された。「アードベッグにとってピューリファイアがないことは前代未聞です」と、ウイスキークリエイトディレクターのビル・ラムズデン博士はコメントしている。「この実験は、私がいつも試してみたかったことであり、アードベッグの味とキャラクターが、このユニークな方法で蒸留することによってどう変化するかを考えました。それでは、アードベッグファンが発見する時間です。アードベッグの崇高なバランスが、最も素晴らしい方法で乱された完全なドラムです-本当に魅力的なドラムです」と。ビルによると、ピューリファイアを取り外すことで、「最も重い、手に負えない蒸気」が蒸留過程で上昇し、捕捉、熟成、ボトル詰めされた。ノーズには煙たく甘い香りがあり、炭塵、ペパーミント、カルダモン、ダークチョコレートを含むビタースイートなフレーバーの口当たりが続く。アードベッグ蒸留所は、スピリットスティルに精溜器（ピューリファイア）を備えている。そのようなものを持っているスティルは多くはない。ピューリファイアとは、スチルとコンデンサーの間のラインアーム（lyne arm）の下側にある、小さな銅製のポットのことである。蒸留器から上昇したより重い気体の一部がラインアームに入り、ピューリファイアに落ち込んで液体に戻ります。その後、3インチの銅製パイプを伝って蒸留器に戻り、本体で再度蒸留される。これは、より多くの"Reflux”を作る方法である。"Reflux”とは、蒸気が蒸留器内で液体に戻ることを指している。アードベッグ蒸留所のマネージャーであるミッキー・ヘッズ氏は、アードベッグスピリットスティルがピューリファイアを備えていない時代を覚えていない。彼は古い写真を見たことがあり、その頃にもすでにピューリファイアがあったと述べている。ピューリファイアがなければ、アードベッグは約50PPMまでピートを入れることができるが、それでもかなり「軽い」味わいを持つことができる。アードベッグスピリットはフルーティーで塩味があり、風味が豊かである。オクトモアスピリットやブルイックラディ蒸留所の蒸留器も同様のケースとして見ることができ、ピューリファイアがない。